優雅なスカートのようにめくれた、古風なランプ・シェードは 電球のほかに隠すものはなく、そしてそれを隠すことはできなかった。 もっとも刺刺しいもの、ハイヒールの踵も、尖った指の爪も、 三角定規でさえも、みやびた (あれはどこから来たものか) 腰のひとひねりのうちに抱きすくめられるだろう。 ・・・・・・・瞼の裏は、明るい菫いろの表。 ( ― ハンス・ベルメールの序章) 夜の微風 しなやかに通りすぎるものの、脇をつつむ。 星々は、不吉なを感じてポウル・クレーの赤に沈む。 ひとり歩きは、薔薇の匂いがする。 ひとり歩きは、薔薇の匂いがする。 (何て美しいフレーズ) ものまね鳥は自分の声を忘れ、静かに目を閉じる。 #
by yoko_saki
| 2005-07-08 22:14
昨夜、夢の中で私は尖っていた。 全身針だらけで、ピリピリしていた。 (ちょうどハリネズミの様に。) ふと気がつくと、大きなゲージの中にいるのだった。 辺りを見回すと、ロシア人のハリネズミ(なぜ ロシア人なのか・・・)も1匹。 私達2匹は、切ない気持ちで 「ワシントン広場の夜は更けて…」 と、歌いだす。 突然、ロンドンから来た男が、私の体から針を抜こうとする。 やたらに横柄な態度なのは、「オリンピック開催が決まったせいか。」と思う私。 悔しくて、私はますます針を尖らし、体を丸めていく。 ふと気がつくと、 私は殻の中のウニだった。 私の大好きなウニ。 そっかー。 人に食べられるぐらいなら、自分で食うわ。 私は、消えた #
by yoko_saki
| 2005-07-07 11:05
2日読きの雨で、玉川上水の土は,ぐっしょり水を含んで光っている。 ふと見ると、大きな栗の木の根元から、モグラが顔を出している。 何処からか、ヒキガエルの鳴き声も聞こえてきた。 「カエルが鳴くから帰るなら 帰る家のないカエルは何て鳴くんだろう やっぱりカエローカエローと鳴いている 帰る家のある子の為にだけ鳴いて 帰れなくなったカエルもいるんだろうなぁー」 紅テントの四角いジャングルの中で、吼えていた 唐十郎も去った。 今だ、帰る家を探して 彷徨うのは 永遠の子。 #
by yoko_saki
| 2005-07-05 20:59
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